
道元禅師のことば 【正法眼蔵随聞記】より
正法眼蔵随聞記 第五巻十五よりまた、道元禅師はこうも言われた。 人の心は必ず他人の言葉に左右される傾向にある。大論にこんな喩がある。【愚かな人が宝石を持っているところを見て、他人が「あなたはなんと下品なんですか。自分自らの手でそんなものをもつなんて…。」といわれて、『宝石を手放すのは惜しいし、人の評判も気になるし…。やっぱり自分は人の言うように下品なのかな?』と思う。思い悩んで世間の評判と周りの人の言うことに流されて、愚かにもその宝石をすてて結局ひとに奪われる。】ひとはそんな心をもっている。「ああこの言葉はいいな」と思っても、世間の評判に流されて従わないこともあるし、自分にとって悪いことだと思...