統一教会News Onlineに載っていたある祝福家庭の話を紹介します。
ご覧下さい。
栃木教区 足利教会 福田実・ゆき子さん家庭(6000双)
妻が聖和(逝去)し、男手一つで年頃の子供4人を育てることになった父親は、不祥事による次男の高校退学で限界にぶつかります。そのような中、父親は多田聰夫講師の「家庭力アップ講座」を通じて、「自分こそが子供の問題の原因である」 と知って深く改心。激しい不信と対立関係にあった親子に劇的な変化が訪れ、今では家族全員で力を合わせてみ旨に邁進しています。
栃木・足利教会の福田実さんの妻・ゆき子さんが長い闘病生活を経て聖和したのは2009年5月のこと。長女が短大卒業、長男は高校を卒業して就職、次男は中学を卒業して高校に入学したばかりで、末っ子の三男はまだ小学5年生でした。
「片親家庭の子供はぐれる」とよく言われます。それで福田さんが「わが家はぐれないようにいこう」 と子供たちに呼びかけたところ、なんと次男は「いや、ぐれる。親の愛が足らない」と宣言したのです。
残念なことに、その宣言どおり、次男は高校3年の10月に不祥事を重ねて退学になります。福田さんはそれが父親として自分なりに努力した結果だったので、最後は霊界のゆき子さんに「もう限界だ。君に任せる」 と祈るほかありませんでした。
子供の問題は、親に原因がある――。福田さんがそのことを強く意識するようになったのは、多田聰夫講師の「家庭力アップ講座」を受講してからです。福田さんは2012年10月から毎月のように、片道2時間半かけて東京の渋谷教会で開かれる講座に通いました。
講座では、親(夫婦)の問題が子供に現れることが強調されました。また、感情の赴くままに言葉を発することを戒めること(「一時停止ボタン」)や、自分の言葉で正直に思いを伝えることなど、家族関係を改善する具体的なアドバイスを受けたといいます。
それまでは「長幼の序が一番大事だ。親子は友達ではない。口のきき方には気を付けよ」 という具合に、厳しく子供たちをしつけてきた福田さん。教会学校にも“問答無用”という感じで通わせていたそうです。
しかし、その結果どうなったのか。家の中で“暴君”のように振る舞っていた父親と子供たちの間には、感情的に深い溝が横たわっていました。講座を通じて、「これまでの自分のやり方は間違っていた」 と悟った福田さんは、一つの決断を下しました。
子供たちへの謝罪
2013年の初め、自宅に4人の子供が揃った時のことです。福田さんは子供たちに初めて謝罪をしました。「教育のつもりでやってきたが、結果的に君たちを傷つけていた。家庭をもう一度立て直すために勘弁してくれ」 と言って、頭を下げたのです。内心、親が頭を下げるなら、「お父さん、そんなことないよ」と言ってくれるだろうという淡い期待がありました。しかし、その期待は見事に打ち砕かれたのです。
父親に対する積年の恨みが次から次へと子供たちの口から吹き出してきました。福田さんが全く予期せぬ言葉を浴びせられたのです。
「今ごろ分かったのか、このヤロー」 「何が勘弁してくれだ、バカヤロー」
福田さんは、子供たちから厳しい言葉を投げかけられても、感情的にならずに頭を下げ続けました。
しかし、子供たちは足を投げ出してソファに座り、「ヘラヘラ笑ってるんじゃねーよ。謝るならちゃんと謝れよ」と、容赦なく追い打ちをかけます。
「彼らの口調や態度がそうなるように育てたのは自分だ」 。
そう感じた福田さんは「すいませんでした」とさらに深々と頭を下げ、最敬礼をしました。
そうしているうちに、息子たちから「親父がそうやって頭を下げたんだから、まあ仕方がない。勘弁してやるわ」と許しの言葉が出ました。
しかし、一番上の長女は「いやだね。『真の愛』、『理想家庭』と言いながら、私に手を上げたでしょう」と譲りません。それでも最終的には、長女も弟たちの説得を受け、渋々ながら父親の謝罪を受け入れたのです。
子供たちの変化
「謝罪」から半年ほど経った頃のことです。福田さんは、三男の爪を噛む癖がなくなっていたことに気づきました。三男はテレビを観ながら、手だけではなく足の爪まで噛むのが癖で、血が出るまでやっていました。福田さんが「やめなさい。お前のためだ」と注意しても、後ろのほうに行って続けていたのです。
なぜ爪を噛むのをやめたのかと尋ねると、三男は福田さんを指さして、「あんたが変わったからだ」と答えました。
三男は、家の中で傲慢に振る舞う父親が怖くてたまらなかったのですが、まだ幼かったので家を飛び出したりすることはできませんでした。唯一の逃げ場が爪を噛むことだったのす。「お前のためだからやめなさい」といかにも教育者らしく言いながら、子供の唯一の逃げ場を奪おうとしていた…。福田さんは「本当に危ないことをしていた」 と気づきました。
福田さんは子供のために良かれと思い、一生懸命やったつもりでしたが、「子供たちの気持ちが分かっていなかった」 (福田さん)のです。次男に問題が起こった時も、父親が追えば追うほど、次男はどんどん逃げていきました。
ところが最近では、子供たちが外に遊びにいっても、「家のほうがいいや」と早く帰ってくるようになりました。
ある時、長女が「以前は毎晩帰りが遅かったけど、どこに行っていたか分かる?」と聞いてきました。福田さんが「分からない」 と答えると、彼女は「団地の階段にいた」と明かしました。親が変わっていけば子供は自然と家に戻ってくると、福田さんは強く実感しています。
オープンに家族で対話
長女は、父親を許して心情的な交流ができるようになった途端に、教会に対する恨みが解け、神様や真の父母様に対する恨みも消えたといいます。現在は地元教会のCIG復興団で大きな実績を上げながら歩んでいます。
次男は、通信制高校を2013年3月に卒業しました。かつてはピアスを開け、香水をつけるようなやんちゃだった彼は、自分から髪の毛を切って“爽やかボーイ”になり、今はSTFで頑張っています。
現在、福田家では何事もオープンに家族で話し合いをしているそうです。
「今は、“マイナス”から“ゼロ”に近くなってきたという段階かなと思っています」 と語る福田さん。「これからも子供たちの情を大切にしながら、“霊の子”である子供たちを日々の生活の中で伝道するような気持ちで、親としての責任を果たしていく所存です」 と、決意を新たにしています。
(この記事は、『VISION 2020』第29号〈5月10日号〉に掲載されました)
上記の記事が載っていたサイトはコチラです。
コメント