試練は信仰を強くし 迫害は大きな贈り物をもたらす

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一月二十六日、千葉・浦安の一心特別教育院で、UPA一期生の神日本特別路程(2023年12月26日〜2024年1月26日、38ページに記事)の閉講式が行われました。田中富広会長はその場で、今年、海外宣教に出発するUPA一期生たちに、感謝と激励のメッセージを語りました。(文責・編集部)

試練は信仰を強くし
迫害は大きな贈り物をもたらす

皆さん、この一か月間、お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。

世界の食口たちから、私に励ましのメールがたくさん送られてきます。
その内容の多くは、「日本が大変な状況の中で、本当に全食口が頑張ってくださるようにお祈りしています」とか、「試練に負けないで頑張ってください」などです。ありがたく、感謝しています。
しかし、試練や迫害で滅びた宗教はありません。いや、むしろ、試練は信仰を強くしてくれ、迫害は、その向こうに、より大きな贈り物を神様が準備していることを私たちは知っています。
真のお父様のみ言に、もし家庭を復帰したかったら、その家庭の価値にふさわしい試練を超えなければならないとあります。
もし民族を復帰したかったら、その民族の価値にふさわしい迫害を超えなければならないとあります。
もし国家を取り戻したかったら、その国家の価値にふさわしい迫害を超えなければならないとあります。
今、日本の食口たちは、国家的試練の中で、いや応なしに国家レベルの意識を持たざるをえなくなっています。ですから、その向こうには、国家的な大きな恩恵が待っているのです。
試練によって日本の食口たちの信仰が崩れていくなどということは、絶対にありません。
この中には日本のメンバーたちがたくさんいますが、〝厳しい環境の中にいる日本の食口たちに背を向けて、これから世界に出ていく〟という思いなど、みじんも持つ必要はありません。日本の食口たちはむしろ強くなり、むしろ天の願いを果たすにふさわしい、天の精鋭部隊に変わっていきます。
文科省から解散命令請求が提出され、裁判が行われていますが、教団が解散するとか、解散しないとか、それは法人のことです。教団が解散することはないのです。私たちは、法人であろうがなかろうが、神のみ旨を進めていくことに変わりはありません。ですから、日本の食口たちの信仰は変わることなく、たくましく、強くなっていきます。
安心して世界に行ってください。そして二年後に帰ってきたら、ぜひ、生まれ変わった日本を見ていただきたいです。
私たちが恐れるのは、自然災害でも迫害でもありません。いちばん恐れるのは、神様から、「おまえは、もう休みなさい。もうみ旨をやらなくてもいい」と言われることです。
天から、「これをやれ」と言われることは、最大の祝福なのです。
皆様は、これから海外宣教に行かれます。これは、ものすごい祝福です。天命を受けて旅立っていくことができるのです。
そういう意味で、皆様は世界レベルで、世界的意識で天のみ旨に関わることのできる、大きな恩恵と祝福の中にあるのです。

真のお母様が特別な関心を
日本に注がれた期間

先ほど、(この閉講式のスタッフに)「私はこの場で、何を話したらいいのですか?」と聞いたら、「激励してください」と言われたのですが、私が皆さんを激励なんて、もう、とてもできません。
もし、この場で何かを語れと言われれば、感謝の言葉しかありません。この日本に一か月間、いてくださって、 本当にありがとうございました。
たくさんの感謝の内容がありますが、あえて三つに絞って述べたいと思います。
第一の感謝は、天運を日本に引きつけてくださったことです。このことは、心から感謝しています。開講式で申し上げたように、天運は、天の父母様(神様)と、天の父母様と一つになられた真の父母様から来ます。ですから、真の父母様の関心を引きつけたら、そこに天運があるのです。
信仰者の勝利の秘訣は、神様の関心をいかに引きつけるかなのです。
真のお母様が皆さんに関心を注がれ、皆さんをこの日本に送られました。そして、皆さんがこの日本におられた一か月間、 毎日、皆さんの活動報告に耳を傾けていらっしゃいました。
ですから、少なくともこの期間は、真のお母様は、この日本に深い思いと関心を注ぎ続けられました。
もちろん、それ以前も関心を注いでくださいましたが、それは裁判の問題や、日本食口たちが大きな危機に直面していることに対して、親として、苦しい心情からの関心の向け方でした。
ところが、皆さんが来られて、その関心を注がれる角度が変わったのです。
皆さんを中心として、日本の食口たちと若き青年たちが共に躍動している報告を毎日聴かれた真のお母様は、希望的に、その報告に向かわれることができたはずです。
今まで、日本の食口たちが受ける試練の報告を聞かれるたびに心が重くなっていた真のお母様が、この一か月間は、心晴れやかに、希望的にお受け止めになることができたのです。
本当に、うれしく思います。

第二の感謝は、未来への希望を、この日本に見せてくれたことです。
希望がなければ、信仰者は苦しいものです。特に、古い先輩世代は、天命を受けて海外に出て、愛する夫や子供たちを日本に置き、愛する家族や親族を置いて、命懸けで天を愛し、 み旨を愛しました。
そのような信仰を持っている多くの先輩家庭たちには、いつも〝この信仰の魂を、 二世圏、三世圏が引き継いでくれるだろうか〟という思いがあるのです。口には出さなくても、〝自分たちが天の前に立ててきた、その信仰の伝統を誰が引き継いでくれるのだろうか〟と思っていらっしゃるのです。
ですから、今回、これから世界へ宣教に向かっていくという志を持った若い皆さんと向き合えたことは、最高の恩恵でした。
自分たちが天命を受けて世界に旅立っていった、その思いと決意を同じように秘めている、新しい世代が芽吹き始めていたのです。これに対する感謝の言葉をたくさん聞きました。
私のところにもメールが来ました。もうその一つ一つが涙でつづられたような文章です。
そのような意味において、先輩家庭の信仰の結実が、未来に向かってこの運動を間違いなく引き継いでくれるという希望を日本に与えてくれました。

第三の感謝は、信仰のゴールを私たちに見せてくれたということです。
少し内面的な話になりますが、日本家庭連合は、天を愛し、真の父母を愛するために命懸けで天のみ旨に向かっていった、多くの先輩たちによって築き上げられてきました。
その信仰の核心は何かというと、み言に対する感動とともに、人類のメシヤと選民を迫害した立場に立つ怨讐であるこの日本を愛し、赦してくださった、真の父母様に対する感謝の心です。
ですから、日本の先輩家庭が培ってきた信仰観は、世界の食口たちの信仰観と微妙に異なるところがあります。み言に対する感動と、赦されているという、赦される側に立った者の信仰観があるのです。それが、真の父母様の願いに応えていく、強い力にもなってきました。
しかし、み言に対する感動と、赦されたことへの感謝のみでは、天国をつくることはできません。み言の目的は実体、実体の目的は心情なのです。
天国は信仰のみでつくる世界ではありません。天国は実体でつくる世界です。
今回、日本の古い先輩たちも、日本の食口たちも、言葉では言い表せなくても感じています。皆さんが理論、理屈抜きで、真のお母様の心情から世界宣教を決意していることを感じたのです。
真のお母様の願いがなければ海外宣教には行かないでしょう。お母様の心情が、お母様の願いがあるので、 自分の人生を懸けて海外に行く決意を持たれた皆さんのその心情圏は、一世たちも目指していかなければならないゴールなのです。
真のお母様の心情に入って、そこから出発しようとする皆さんの心情世界は、天国の原点です。そこが、この日本が改めて目指していくべき、新しい出発点なのです。
その新しい歴史の躍動感、新しい歴史の胎動のうねりを、皆さんを通して私たちは感じました。
真のお母様が生きておられるこの時だからこそ、この新しい歴史の胎動が起き、 躍動感を感じることができるのです。そのような意味においても、今、私たちが奇跡の時代に生きていることに心から感謝したいと思います。

ぜひ、世界でどんなことがあっても、 真のお母様の心情圏から産み落とされた自分であることにプライドを持って、頑張っていただきたいと思います。

必ず天が準備した人はいる
必ず義人がいる

最後に、今度は送り出す側として一言申し上げます。この一か月間を通して、皆さん全員を日本の子供たちとして、母の国として、世界に送り出していきたいという心境に至りました。
あらゆる側面において皆さんの勝利をサポートしたいと思っていますが、 私から皆さんにお願いしたいことがあります。三つ、申し上げます。
一つ目、絶対に生きて帰ってくることです。絶対に死んではいけません。
もう信仰なんかボロボロでもいいから、何の実績も出さなくてもいいから、 絶対、生きて帰ってきてください。これは皆さんの父母から見た、第一の願いです。
負債を背負ってもいいから、絶対に生きて帰ってくるのです。世界では、何があるか分かりません。真のお母様も、そのような中に送り出す心境で皆さんを見詰めておられることは、言葉に出されなくても分かります。
ですから、絶対に生きて帰ってきてください。自分の身は自分で守るのです。誰も守ってくれません。まずこれを自覚してください。
二つ目。日本は十年間にわたって、天一国青年宣教師を海外に送ってきました。私がその十年間を見ていて、海外宣教の妨げになった一番の弊害は、行ったメンバーたちが一体化できなかったことです。
アベル圏に立つメンバーたちが一つにならないので、現地の教会も一つになれないのです。そのような状況では、伝道はできません。
現地に入り、 全く新しい環境に飛び込むと、「こうしたらいい。ああしたらいい」と、みんないろいろな考えを持ちます。
しかし、アベル圏が一つに束ねられない限り、カインは、共に生きたいと思わないのです。「あぁ、このアベルと共に生きたい」とカイン圏が思えるアベルになる方法は、父母を中心として一つになった輝きを見せてあげることです。そうでない限り、無理です。
ですから、いかにチームが一つになるかは、本当に重要なポイントです。十年間の結論です。ぜひ、そこを意識しながら、お互いの考えやお互いの思いを共有し合ってください。
最後、三つ目。先ほど、実績がなくても、ボロボロになっても生きて帰ってきてほしいと言いました。でも、やはり実績は必要です。(笑い)皆さんは、宣教に行くのですから、宣教の種をまいてこなければなりません。
宣教の種は、命を生かすこと以外にはないのです。したがって、世界に行ったら、絶対に最低一人は、自立した信仰を持てる青年を立てて帰ってきてください。皆さんがまいた信仰の種がそこから必ず繁殖するというレベルの青年一人を立てなければ、「良い経験をした」で終わってしまいます。
「あぁ、二年間、良い海外経験ができました」。これでは、天の摂理にとって何の価値もありません。絶対に信仰の種をまいて、命を生かして、本人の主体意識で多くの人に真の父母を証す決意ができる人、こういう人材を立ててほしいのです。天は必ず用意しています。
真のお母様はおっしゃいます。義人は必ずいるのだと。天が準備した人が必ずいます。皆さんを通さないと救われない人が必ずいます。
ですから、絶対に天の父母様を愛し、真の父母様を愛する信仰の種を残して帰ってきてください。
以上です。ありがとうございました。

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