一月四日、東京・渋谷の松濤本部で、「2024天の父母様聖会 神日本大陸 始務式」が行われ、本部職員や元老食口、統一運動推進団体の責任者が集いました。メッセージに立った田中富広会長は、現在、真のお母様が関心を寄せておられることがらについて説明し、「天心と一つとなり、さらに結束して前進してまいりましょう!」と呼びかけました。(文責・編集部)
本文
震災後、李基誠苑長を日本へ送る
ようにしてくださったお母様
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
二〇二四年は、元日から地震と津波の被害が発生し、翌日には日本航空(JAL)機と海上保安庁の航空機の衝突事故が起きてしまいました。お亡くなりになった皆様に哀悼の祈りを捧げ、ご家族にお悔やみを申し上げるとともに、けがをされた方々の健康と、避難生活を余儀なくされている方々の通常の生活が、一日も早く戻ってくるよう心から祈念いたします。
日本列島の周辺では四つのプレートが相接しており、地震はいつか来るもの、避けられないものと、誰もが思っています。そのような中でも、天に立つ者は、「時」という観点を大切にしなければなりません。災害が起きたとき、天に立つ者が、目の前の出来事をどのように受け止めるのか。それは、国運を左右する重大事になるからです。
このたびの災害は、年頭での出来事であり、一つ目が天災による地震と津波、二つ目が人災による航空機事故であったことから、この一年の行く末を予感させるかのようであり、全ての国民が身を引き締めて一つにならなければならないと示唆しているようにも思います。
災害の一報を耳にされた真のお母様は、すぐに連絡を下さいました。日本国民のためにより一層、精誠を捧げること、被災地域の救援のために全力でサポートすることなどを強調され、「今回の地震と航空機事故は単なる災害や事故ではないと理解し、格別に真心を捧げなければなりません」と訴えられました。
天の摂理では、常にアベル圏に立つ者の姿勢が問われます。天の父母様(神様)と真の父母様を中心にアベル圏が一つとなり、心から悔い改め、精誠を捧げることが求められるのです。
真のお母様は震災後、間髪を入れずに、李基誠・天心苑苑長を日本へ送るようにしてくださいました。そして、日本家庭連合では、昨日(1月3日)から三日間の特別徹夜精誠祈祷を捧げています。韓国で捧げられている天心苑特別徹夜精誠と連結できるよう、中継で結ばれた全国の一万四千拠点で、多くの祝福家庭、食口たちが同参しているのです。
何よりもありがたいのは、真のお母様が、日本の神霊的保護圏を築いてくださるとともに、日本の食口を守り、日本列島を覆う暗雲を吹き飛ばすために投入してくださっていることです。私たちも、この期間を通して深く悔い改め、精誠の限りを尽くしてまいりましょう。
年頭標語に込められた
お母様の心情と願いを振り返る
年初に「2024元旦全世界天心苑徹夜精誠特別祈祷会」(韓国・清平、HJ天宙天寶修錬苑)が開かれ、参加者は映像を通して真のお母様のみ言を頂きました。それは、二〇一四年に年頭標語を定められたときのものでした。改めて、年頭標語に込められたお母様の心情と願いを振り返る機会が与えられたのです。
「創造主 天の父母様に似た、真の愛を実践する天一国の真の主人になろう」
一貫して変わらない、この年頭標語に込められた真のお母様の思いと願いもまた、不変です。お母様は、成就するその日を待ち焦がれていらっしゃるのです。
本日、この始務式で皆さんと共有しておきたいことは、真のお母様が今、関心を寄せ、心を注がれていることが何なのかということです。
天の父母なる神の存在を
人類にいかに着地させるか
第一は、「真の父母論」の安着です。
基元節の宣布によって成約時代は終わり、天一国時代を迎えるようになりました。すでに新しい時代の幕は開かれています。にもかかわらず、天の願いに反して、「真の父母」の位相と価値に対する正しい理解は、いまだに人々の間に安着していません。そこに、真のお母様の痛みがあります。
昨年、真のお母様は、天苑宮・天一聖殿の奉献に信念を持ち続けられました。私は、個人的には、内外共に完成してから奉献すれば良いのではないかと考えていました。その考えは、たとえ未完成であっても、奉献することに重きを置いていらっしゃるお母様の心情に対して、信仰的に随分距離のあるものでした。
奉献式の翌日、私は、真のお母様が天一聖殿の奉献を重んじられた最大の理由について深く知ることになりました。天一聖殿には、真の父母様の生涯路程と天一国創建に向かう摂理路程を描いた、十四枚の壁画が設置されています。お母様はその日、壁画に込められた思いを私たちに吐露されたのです。
「これからは原理講義だけではだめなのです。併せて真の父母の生涯路程を教育していかなければなりません」
この〝生涯路程を教育しなさい〟というみ言の意味は、真の父母の偉大さを伝えるというより、神が天の父母であることを知らせてほしいということです。真の父母が歩まれた路程を正しく見詰めれば、神が天の父母であることが分かります。真の父母の歩みの最大の目的は、天の父母なる神の存在を人類にいかに着地させるかにあるのです。
いま一度、真の父母様の生涯路程を振り返ってみてください。死を覚悟してまで、なぜ北朝鮮に入っていかれたのでしょうか。なぜ共産主義の牙城であるクレムリンに向かっていかれたのでしょうか。全ては人類の父母だからです。この父母の心情と神の心情がつながったとき、人々は、神が父母であると分かるというのです。真のお母様は、神が父母であることが分かれば、全ての問題は解決すると明言されています。
私たちは、そのような視点を持って真の父母の生涯路程を証ししていかなければなりません。神が天の父母であることを人類に宣べ伝え、着地させていかなければならないのです。真のお母様が、真の父母論の安着を強調されるのは、私たち子女に、神が父母であるということを安着させる使命があるからであり、そのためには、真の父母論を正しく理解する必要があるからです。
「真のお母様は、真の母としての初臨である」と聞くと、「初臨」という言葉に抵抗を感じる人がいます。『原理講論』のキリスト論に、神とイエスと聖霊の霊的三位一体について説かれています。聖霊の役事という視点から見れば、お母様は「再臨」の立場でしょう。しかし、地上に実体を迎えるという、実体聖霊の視点から見れば、お母様は「初臨」になるのです。
一九六〇年に、父母なる神と実体の真の父母との三位一体の役事によって、私たち人類は、神の血統に連結される重生の道を歩むことができるようになりました。この価値を正しく理解するためにも、私たちには、神が父母であることを正しく理解し、真の父母を確実に着地させる使命があるのだと受け止めていかなければなりません。これが今、真のお母様にとっての重要なテーマであり、ご自身が地上にいる間になさらなければならないことなのです。
天苑宮・天一聖殿の完成は、
母の国・日本の重要なテーマ
第二は、天苑宮の完成・入宮です。
昨年奉献された天苑宮・天一聖殿を完成させ、真の父母様の入宮を果たさなければなりません。天一聖殿は、神様がご自身の夢を実現される地上の基地であり、安着される基地です。天一聖殿を通して、神様の夢は実体化されるのです。
真のお母様は、二〇二五年の入宮成就を〝摂理の時〟として設定されました。お母様のご存命中に、未来永劫、後世に残せる聖殿として建立すべきなのは言うまでもなく、お母様が「良し」とされてこそ、本当の意味での完成となるのです。天苑宮・天一聖殿の完成は、母の国・日本、お母様と一つになった日本にとっても重要なテーマとなります。
未来世代をお母様の願われる実体に
育成することが、我々の課題
第三に、未来世代の確立です。
真のお父様の聖和後、この十一年間、真のお母様は、ハワイ特別修練会(2014年)を皮切りに、この分野に投入し続けてこられました。その目的はただ一つ。永遠に一組である人類の真の父母と一つになった二世圏を育成することです。特に今は、地上の摂理を担われるお母様と一つになった二世圏を育てることに焦点を絞っていらっしゃいます。
私たち一世が、真のお母様と一つになることが求められているのは当然ですが、未来を担う世代をごらんになったお母様が、「これで未来は大丈夫だ!」と安心される基準まで、二世圏を引き上げていかなければなりません。そのような意味で、この未来世代が今、お母様の目にどのように映り、その願いに応えてどのような実体になっていくかが、我々に課せられた責任であると痛感します。
今後、我々の、未来世代の育成に関する発想、ガバナンスの在り方、取り組みの一つ一つについて、細かく問われていくようになるでしょう。大きな変化の時を迎えた二〇二四年であると、改めて感じさせられます。
神氏族メシヤ勝利は、
祝福家庭としての宿命
第四に、神氏族メシヤ勝利を通した、救国救世基盤の造成です。
これは、先述した年頭標語のように、一貫して変わらないスローガンでもあります。全ての祝福家庭が目指すゴールはただ一つ、神氏族メシヤ勝利です。どのような役職や位置に就いていても、それは変わりません。神氏族メシヤ勝利は、祝福家庭としての宿命なのです。どれだけ御託を並べようとも、神氏族メシヤの勝利がなければ、霊界で通じません。それは、真のお父様の遺言であり、全ての食口にとって譲ることのできない、教育の核心でもあります。
「天寶勝利家庭」という称号は、あくまでも結果的に得るものであって、本質は神氏族メシヤの勝利です。「一世ができなければ、二世が引き継いででも成し遂げなければならない」と何度も聞いてきたように、私たちは、ここに焦点を絞って歩んでいかなければなりません。
日本家庭連合は、以上の点を果たしていくのにふさわしい組織体制に切り替わっていきます。二〇二四年は、私たちの意識や感覚にも変化が求められていくことでしょう。
この年始に『原理講論』を読んでいて、特に印象に残った終末論の内容を共有します。
「堕落した人間は神霊に対する感性が非常に鈍いために、大抵は真理面に重きをおいて復帰摂理路程を歩んでいくようになる。したがって、このような人間たちは、古い時代の真理観に執着しているがゆえに、復帰摂理が新しい摂理の時代へと転換していても、彼らはこの新しい時代の摂理にたやすく感応してついてくることが難しいのである。……しかし、祈りをもって神霊的なものを感得し得る信徒たちは、新しい時代の摂理を、心霊的に知ることができるので、古い時代の真理面においては、相克的な立場に立ちながらも、神霊によって新しい時代の摂理に応じることができるのである。
……終末に処している現代人は、何よりもまず、謙遜な心をもって行う祈りを通じて、神霊的なものを感得し得るよう努力しなければならないのである。つぎには、因習的な観念にとらわれず、我々は我々の体を神霊に呼応させることによって、新しい時代の摂理へと導いてくれる新しい真理を探し求めなければならない。そして探しだしたその真理が、果たして自分の体の内で神霊と一つになり、真の天的な喜びを、心霊の深いところから感ずるようにしてくれるかどうかを確認しなければならないのである」(174〜175ページ)
現在、真のお母様を中心として地上の摂理は進んでいます。私たちは、お母様が発せられるみ言や、その向こうにある心情に最大の関心を寄せ、物事の判断、時の動きを見据えていかなければなりません。自己の観念や培ってきた信仰観を先だててお母様の前に立つとすれば、摂理に対する弊害が大きくなります。
震災の報に接した真のお母様は、李基誠苑長を日本へ送るようにしてくださいました。何よりも私たちが追いかけるべきなのは天心です。天の父母様の心情と一つになった真の父母様の心情、とりわけて今は、地上で歩まれるお母様の心情と一つとなることに、我々の祈りの照準を合わせておかなければ、天のみ意から外れた教会運営や、大きな過ちにつながってしまいます。
日本の社会を変革できるのは
天と一つになった食口たち
二〇二四年に、天の配剤がどのようになされるのかは分かりません。目の前に現れるさまざまな出来事と向き合う、その一瞬一瞬に、自らの心の中心軸がどこに立っているのかをよく見極めなければなりません。特に、本部が発信する指針や情報の一つ一つは、全国の教会運営に影響を与え、食口、祝福家庭を動かしていくので、私たちの羅針盤をはっきりと定め、針路を見誤ることなく前進していかなければなりません。
真のお母様は食口たちを、「天の宝、天の武器である」と称されます。昨年一年を通して、本当にそのとおりであると実感しました。この日本の社会を変革できるのは、やはり食口たちです。天と一つになった食口たちこそ、私たちの持つ最大の力であり、天にとっての大きな武器なのです。
私たちは年始から、真のお母様と一つとなって三日路程を歩んできました。私たちは天運の中にあります。天心と一つとなり、さらに結束して前進してまいりましょう!
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