七月七日、岡山家庭教会(岡山教区)に天の父母様聖会の方相逸・神日本大陸会長夫妻を迎えて、「神日本第四地区二〇二二下半期責任者出発式」が行われました。金滿辰・地区会長をはじめ、第四地区の牧会者、婦人代表が集う中、方相逸・大陸会長がメッセージに立ち、真のお母様と共に歩み始めた四十日路程に対する天の願いを伝えました。(文責・編集部)
教会から足が遠のく食口たちを
心配される真のお母様
皆さん、おはようございます。お会いできて本当にうれしいです。上半期の六か月間、天の前に限りない精誠を尽くしてくださり、ありがとうございました。
今朝、鄭元周・総裁秘書室長が電話を下さり、真のお母様のごようすを知らせてくれました。先日、尹煐鎬・世界本部本部長が来日した際、私の妻が選んだ洋服をお母様にプレゼントしたのですが、お母様がとても気に入られたというのです。私たち夫婦は、お母様に喜んでいただいたという、うれしさの中、この場に立たせていただいています。
七月三日、真のお父様の天宙聖和十周年に向けた四十日路程(7月3日〜8月11日)を出発しました。スローガンは「真のお父様に会いに行きましょう!」です。真のお母様のお立場では、お父様に会いにいくとなると思いますが、私たちにとっては、「真の父母様に会いに行きましょう!」と置き換えてもいいのではないでしょうか。
真のお母様は、教会から足が遠のいている〝休眠食口〟のことを心配されています。新型コロナウイルスの影響で、礼拝はオンラインでの参加が当たり前になり、教会に行けたとしても、ソーシャル・ディスタンスの確保のため、百人収容できる礼拝堂に二十人しか入れないなど、物寂しさは拭えません。牧会者にとっても、教会運営に手応えを感じづらい期間が、約二年半も続いているのです。
一方、真のお母様はこの間、二百回以上、大会を主宰してこられました。お母様がそのご生涯で、来日して講演をされたのが約百七十回ですから、コロナ禍での投入には驚くばかりです。コロナを恐れ、世の中では各種イベントが中止される中、お母様は、困難なときだからこそ成さなければならないと、感染予防を徹底し、インターネットを駆使するなど、さまざまな工夫をして大会を開いてこられました。
尹煐鎬本部長が感動し、
お母様が誇られた日本食口の歩み
五月十一日、李成萬副会長(当時。現在、花鳥苑建立推進委員長)と二人で、天正宮博物館にいらっしゃる真のお母様の元をお訪ねしました(詳細は本誌7月号、14ページ)。李成萬副会長が日本から韓国に戻ることが決まり、お母様は私に、李成萬副会長が担ってきた責任を引き継ぐように願い、「あなたが十倍、百倍、もっと頑張るんだよ」と激励してくださいました。
母の国・日本に対する天の願いは、とても大きいです。真のお母様の願われるように十倍、百倍の実績をお返ししようと思えば、どれほど深刻になるでしょうか。私は、田中富広会長をはじめとするスタッフと真剣な議論を重ねました。そして、〝お母様の願いに少しでも応えていきたい!〟という気持ちで一つになり、具体的な目標を定めたのです。
また、尹煐鎬本部長が来日された折、私は、全国の全ての牧会者、婦人代表を紹介し、日本の取り組みを包み隠さず伝えました。本部長は目を見開いて説明に耳を傾け、「日本の兄弟姉妹たちの真実の歩みを知り、鳥肌が立ちました」と感想を述べていました。
尹煐鎬本部長の帰国から二日後、本部長から電話がありました。私が説明した内容を真のお母様に詳細にご報告したところ、お母様が、「日本はすごいんだよ。学ばなければならないよ」とおっしゃったというのです。
母の国の使命を担い、先頭を切って歩む皆さんに、改めて感謝申し上げます。
真のお母様は、全ての祝福家庭、食口、二世、三世が、聖和十周年を機に、真のお父様の元に集うことを切実に願っておられます。とりわけ休眠食口のことが気がかりでならないのです。
日本では、二世圏を呼び戻すための尋訪プロジェクトを展開してきました。同じように、教会との距離が開いてしまった祝福家庭や食口を訪ねましょう。真の父母様につながってこそ、霊的な生命は生かされます。教会につながらないで、どうやって真の父母様の心情圏を理解するのでしょうか。今は、天の父母様(神様)と真の父母様の夢がかなう歴史的な時であり、真のお母様と共に歩むことのできる黄金期であると伝えてください。
指導者には、真の父母様の心情、事情、願いを末端の食口にまで伝える責任があります。これまで、私たちの歩みに何が足りなかったのかを反省し、天の愛する全ての兄弟姉妹と共に真の父母様の懐に帰っていくにはどうすればいいのか、日々、考えを深めながら四十日間を走り抜いていきましょう。
忘れられない巨文島での釣り大会
十年前の七月七日、真の父母様は米国・ラスベガスにいらっしゃいました。七月初めに渡米し、一週間を過ぎた頃、真のお父様は風邪を引かれたのです。症状が悪化する中、慣れない米国の病院では、何かと不便なことも多いでしょう。真のお母様はお父様の身を案じ、早く韓国に戻りましょうと懇願されました。そして、同十五日に帰国されたのです。
真の父母様が米国にたたれる直前の六月二十四日、韓国の巨文島に日本の本部局長、地区長や教区長などが集められ、釣り大会が開かれました。真のお父様は賞金を準備して、私たちを待っておられたのです。この話は、何度かお伝えしたことがありますが、お父様の聖和を振り返るに当たって決して抜きにはできないことなので、改めてお話しします。
私は、ひどい船酔いをするので、「船」という言葉を聞くのも嫌なぐらいです。その日は、真のお父様の願いに応えるために気力を振り絞り、〝条件だけでも立てよう。順位は関係ない〟という心境で船に乗りました。ただ、風がとても強くて全く釣れなかったのです。皆、そうでした。それで船長が、「きょうはどれだけやってもだめです。戻りましょう」と提案しました。三時間、船酔いで吐き続けていた私にとって、それは救いの声でした。私は誰よりも大きな声で、「そうしましょう!」と同調しました。
私たちはこのとき、大きな失敗をしました。本当は、「ここで釣れないのなら、もっと沖に出してください」と訴えるべきだったのです。絶対に諦めてはいけませんでした。しかし、誰もその声を上げませんでした。人間というのは、決意を貫けない、弱い存在なのです。
翌朝の訓読会で、真のお父様は釣り大会の結果をお尋ねになり、「一位の者は前に出てきなさい」とおっしゃいました。一位になった責任者は、喜び勇んでお父様のみ前に立ち、賞金を受け取りました。そこまでは、和気あいあいと祝賀ムードが漂っていたのですが、お父様が釣れた魚の大きさについて聞かれると、その場はしんと静まり返ったのです。
その方が恐る恐る「十三センチ」とお答えすると、真のお父様は「十三インチ?」(1インチは2・54センチ)と聞き返されました。改めて十三センチと確認されると、お父様のごようすが一変しました。そして、「先生が準備して、頑張るように言ったら、しっかりやらないといけないのに、なぜ守らないの!」と厳しい口調でおっしゃったのです。その場は緊張に包まれました。
その直後、真のお父様はヘリコプターで天正宮博物館に戻ってしまわれました。そして、私たちが船で麗水に向かっていたとき、お父様から宋榮ソプ・全国祝福家庭総連合会総会長(当時)に連絡が入り、皆が天正宮博物館に招かれたのです。お父様は、せっかく韓国に呼んだのに何もしてあげられなかったと、心苦しく思われたのかもしれません。
私たちが天正宮博物館に着くと、真の父母様は一緒に食事をしてくださり、全員に一曲ずつ歌わせられました。そして、「めったにない機会だから、記念写真を撮ろう」とおっしゃったのです。それが、日本のリーダーたちとの最後の記念写真になりました。それから数日後、米国に向かわれた真のお父様は、現地で風邪を引かれたのです。
巨文島での出来事を思い出すと、今でも涙があふれてきます。私たちは足らない指導者でした。真のお父様の願いを悟れなかったことを、どれだけ反省しても反省しきれません。
お母様を中心とした地上摂理の
布石を打ってこられたお父様
真のお父様は、ご自身の生命が危ないということを感じておられたのでしょうか。七月十五日に米国から帰国されると、その翌日、アベル女性UNの創設大会を開かれました。お父様は、み言を語られている最中に倒れそうになられました。それまでと、ごようすが全く違ったのです。そのように全身全霊を懸けて創設されたアベル女性UNが、天の摂理上、重要であることは言うまでもありません。
一九九二年四月十日、世界平和女性連合が創設されました。真のお父様は女性時代の到来を宣布し、真のお母様が女性連合の総裁に就任されました。その日から二年遡る一九九〇年三月二十七日、米国・ニューヨークで行われた「真の父母の日」の記念礼拝で、お父様は「女性全体解放圏」を宣布し、お母様を第二教主であると闡明されました。
今年、真のお母様が女性連合の総裁になられてから三十周年を迎えました。アベル女性UNが創設されたのは、その二十一年目のときでした。真のお父様は、摂理的な数字を意識し、お母様を中心に地上のみ旨を進めるための布石を打ってこられたのだと思います。
四十日路程に願われる心情姿勢
二〇一二年九月三日(天暦7月17日)、真のお父様は聖和されました。その日までの約四十日間は、真のお母様にとって、それまでの人生で最も苦しい期間だったのではないでしょうか。誰よりもお父様のことを分かりながら、何もしてさしあげることができず、傍らにいることしかできないもどかしさ。私は、お母様が当時のことを振り返りながら、今回の四十日路程を組まれたのだと思うのです。お母様が、お父様のために何でもしてさしあげたいと、心が張り裂けるほどに願われた、そのような心情圏で、私たちに四十日路程を歩んでほしいと願われているのだと思えてなりません。
真のお父様は、天の摂理を進展させ、私たちを守るために霊界に旅立たれました。だからこそ、お父様が深い愛情を注がれた祝福家庭、食口を一人でも多く訪ね、彼らが抱える事情や悩み、不平や不満に真剣に耳を傾けてください。彼らが教会に戻ってくることを、お父様は心から待っておられるに違いないのです。
私は大陸会長に就任後、全国を巡回し、六十四教区のうち三教区を残すのみとなりました。各教区では、牧会者や婦人代表との会合、教区の食口たちに向けた礼拝に加え、青年・学生や韓国婦人、忠孝家たちとの集会を持ってきました。
この場を借りて皆さんにお願いしたいのは、特に韓国婦人たちを守ってほしいということです。家庭には多かれ少なかれ悩みがあるものですが、韓国婦人たちに話を聞いてみると、想像できないほどの苦しみを抱えている婦人が多くいます。文化が違う他の国際家庭の婦人たちも同じような状況かもしれません。海を越えて日本に渡ってきた婦人たち。彼女たちを教会に呼んで、じっくりと話を聞いてあげてください。お互いに感謝と感動の涙を流し合うに違いありません。
私は毎週、一度か二度、見聞きした内容を手紙にしたためて、真のお母様にお送りしています。いつも、お母様に喜んでいただけるようなご報告をしたいのは言うまでもありませんが、時には、直面する課題についてお伝えしなければならないことがあります。
全世界、八圏域の大陸会長が、同じように真のお母様にご報告し、ナショナルリーダーたちも懸案事項があれば、お母様にご相談するでしょう。毎日、全世界からの報告に目を通し、必要な対応をなさっていることを考えるだけでも、お母様の大変さが推し量れます。
五月十一日に真のお母様にお目にかかったとき、お母様は約一時間四十五分、お話ししてくださいました。一時間は子女様の問題のことで、残りは二世圏のことについてでした。お母様が心のうちにある苦悩を吐露されると、私は、こらえきれずに泣きました。お母様は、あまりにも重い心情の十字架を背負っておられます。それを、どうやって下ろしてさしあげたらいいのでしょうか。
真のお母様は、二世、三世たちに希望を託しておられます。彼らを鮮文大学、UPAで教育し、全世界に宣教師として送るように願っておられます。この四十日路程で二世圏のために心を尽くし、教会に来ることのできていない子供たちがいれば訪ねてあげてください。路程後、何人の二世、三世が集うようになったか、しっかりご報告しようと思います。
中断なき前進によって築かれた
世界的基盤
真のお父様が聖和されたとき、広島に出張していた私に、宋榮総会長から連絡がありました。「予定を全てキャンセルして韓国に戻り、聖和行事の運営に責任を持ってください」。そのように指示を受けた私は、すぐに韓国に飛びました。そして、清心平和ワールドセンターでの徹夜祈祷会の準備を始めたのです。
精誠期間は十三日間に及び、疲労は極限に達しました。しかし、真のお母様のご苦労に比べれば、何でもないことでした。お母様は、心情的、肉体的に最も大変な状況にあるにもかかわらず、全世界から集まっていた指導者たちに、「中断なき前進」を宣布されました。困難なときにこそ、さらに天の前に孝行を捧げる、真の父母様の伝統を相続するよう訴え、神氏族メシヤの使命完遂と心情文化共同体の構築を願われたのです。
そのとき、私たちが心と体を清めて出発できるように四十日路程が組まれました。真のお母様と共に路程を出発したのは、それが初めてだと思います。ですから、今回の路程は、お母様と共なる四十日路程の二回目です。一回目から十年目のこととなりました。
真のお父様は、ために生きる精神で全てを投入されました。人類の救いのため、ご自身の生命までも天に捧げられました。そんなお父様のことをひたすら思って、真のお母様は侍墓生活をなさり、その勝利を土台として第一次七年路程を超えていかれたのです。そして、その終盤、台湾に来てくださいました。
世界巡回は、飛行機での移動を繰り返す強行軍のスケジュールのため、真のお母様の足はパンパンにむくんでいました。講演後、控室で椅子にお座りになると、文姸娥様、文薫淑様、鄭元周室長、お付きのマッサージ師が、四人がかりでマッサージをしたといいます。くたくたになったそのごようすは、闘いを終えたボクシング選手が、コーナーに戻って座り込むような感じだったそうです。そのようにして、七か国、七つの宗教団体を復帰していかれました。
第一次七年路程の締めくくりとなったのが、「ワールドサミット二〇二〇」(2020年2月4日、韓国、キンテックス)です。韓半島の平和統一というビジョンのもと、全世界から国家的指導者たちが集いました。その光景は、統一教会、家庭連合の関連した大会の歴史において、ひときわ輝くものとなりました。
強く願い続ければ、思いは必ず実る
五月十一日、私は、尹錫悦大統領の就任式に参加しました。そのとき、心の中は〝大統領と面識を持たなければならない〟という思いでいっぱいでした。しかし、四万人の参加者がいて、その場では思いを遂げることはできませんでした。
その夜、国務総理(首相)が主宰する晩餐会に、日本から招待された民団の責任者たちと共に参加することができました。その二時間のうちに、私は、国務総理、長官(大臣)、国会議員、民団の団長や元団長など、会いたいと願っていたVIPたちと会うことができたのです。
もともと大統領は、来られる予定はありませんでしたが、突然、来場されることになりました。大統領が会場の前方にいる人々とグータッチをしているとき、〝ここで面識を持たなければ〟という強い思いに突き動かされた私は、今、振り返っても、なぜあんなに大きな声が出たのだろうかと不思議に思うほどの大声で、「尹錫悦大統領、就任おめでとうございます!」と叫んだのです。
大統領は、何事かと驚いたようすでしたが、その叫び声を合図とするかのように、〝尹錫悦コール〟が会場全体に起こりました。ご本人も、きっと喜んでくださったのではないでしょうか。
私は韓国で、尹錫悦大統領をはじめとするVIPたちと出会った結果、自らの意識圏に日本のVIPたちが入ってきたように感じます。自信を持って渡り合えると、ふつふつと力が湧いてくるのです。そのような感覚を、皆さんにも味わってもらいたいと思います。
ある日本の有力議員と面会したときのことです。その方は、私が韓国人だと知っていたので、「妻からこのドラマを見るように言われた」と笑いながら、韓国ドラマ「愛の不時着」を見た感想を語ってくれ、「こんな発想は、日本人にはできません」と褒めていました。
面白いドラマなので、皆さんも視聴してみてください。南北統一のヒントがあると思います。真のお母様が今、意識を傾けておられるのが神統一韓国の実現、つまり南北統一です。それが成されてこそ、神統一世界があります。
日本の政治家たちが、北朝鮮に抱く懸案事項は、核やミサイルの開発、拉致の問題ではないでしょうか。拉致の問題に対して解決の道を示すことができるのが、真の父母様であり、家庭連合です。
皆さん、十五人の伝道対象者リストを作ったでしょう。リストにある人たちのために祈り、愛情を注ぎ、み言を伝えていくならば、必ず百万人の賛同基盤は造成できます。それが、どれほど大きな影響力を持つでしょうか。世の中の見る目が、全く変わるはずです。
たった一人によって歴史は変わる
人類歴史は、たった一人によって変わります。
アダムとエバの堕落によって、人類歴史は悲しみの歴史になりました。ノアによって新しい世界が始まり、希望の光が見えましたが、息子ハムの過ちによって、再び、苦難の歴史となりました。それでも、神様は諦められませんでした。アブラハムやイエス様のように、摂理的中心人物が勝利することを通して、人類歴史を導いてこられたのです。
地区、教区、教会が勝利するかどうかは、皆さん一人一人にかかっています。地区会長、教区長、教会長、婦人代表の考え一つで、食口たちの歩みは変わります。中心人物の立場は恐ろしいと、つくづく感じさせられます。
「中心人物が倒れたら歴史が倒れる」。真のお母様は、正にそのようなお立場で、昼も夜も関係なく歩まれています。鄭元周室長によると、お母様は、夜になったから就寝なさるということはないそうです。横になっても、さまざまなことが頭を巡って心は落ち着かず、ぐっすりとお休みになることができないのです。
六千年に及んだ復帰摂理歴史を締めくくろうとする今、真の父母様と完全に一つになっていかなければなりません。
四十日路程を勝利して、皆で韓国・清平に参りましょう。私たちが精誠を尽くして歩むならば、ビザの問題もクリアできるはずです。下半期の出発となるこの月、生涯最高の実績を打ち立て、真の父母様に会いにいきましょう!
コメント