加計学園問題、不当な圧力が加わる余地はない

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加計学園問題で新たな文書の発見が問題になっています。

 

しかし文書は文科省職員による「個人メモ」であり、信憑性が保障されるものではありません。文書には萩生田光一官房副長官による不当な関与があったかのように記されていますが、萩生田氏自身は強く否定しています。文科省の松野博一大臣も不正確な文書であるとして萩生田氏に謝罪しました。

 

野党は追及を続ける構えですが、萩生田氏が「不当な発言はなかった」と証明することは不可能です(悪魔の証明)。もちろん「発言があった」という証明もできません。問題は長引くのかもしれません。

 

ここで私たちが理解すべきは、問題の発端となった「総理のご意向」と書かれた文書をはじめ、仮に疑惑の文書が存在したとしても、不当な圧力が加わる余地はどこにもなかったということです。このことを時系列で示しましょう。

 

加計学園はこれまで15回、愛媛県における獣医学部の新設を文科省に申請してきました。そして申請はいずれも却下されました。理由は「獣医師は足りている」というものです。しかし愛媛県での獣医師の不足は明白でした。平成22年に宮崎県で口蹄疫が発生した際には、港で消毒や上陸阻止をするために定年退職後の臨時職員も含めて不眠不休で対応しました。今後、同様の事態が発生しても対応できる保証はありません。四国四県の知事が連名で要望を出したこともありました。

 

実は獣医学部の新設は約50年間も認められてきませんでした。一部には、獣医師団体が競争相手が増えることを嫌い、文科省が天下り先を確保したいと考えたために恣意的な判断をしたとの見方もあります。なお、「総理のご意向」と書かれた文書を公表した前川喜平氏は、元文科省事務次官で天下り斡旋で辞任した人物です。

 

一方内閣府は「日本再興戦略」を策定し、獣医学部新設に取り組みました。岩盤規制を打破するためです。閣議決定は2015年6月になされました。

 

これを受けて加計学園は再び学部新設を申請しました。文科が却下するには「獣医師は足りている」との需要見通しを示さなければなりません。いわゆる挙証責任です。ところが文科省はそれができないまま、内閣府との会議である「国家戦略特区ワーキンググループヒアリング」(2016年9月16日)を迎えました。議事録はこちらです。「総理のご意向」といった不当な圧力はどこにも見当たりません。こうして学部新設は、正当な手続きを経て行政の課長レベルで決定しました。これ以降に結果が覆ることはほぼありません。もしあれば、その根拠と経緯が公表されることになります。

 

そして問題の「総理のご意向」と書かれた文書は、この会議から10日後の9月26日に作成されました。しかし学部新設の方向性が出ていたこの時期に、「総理のご意向」を加える理由はありません。実はこの文書の作成者は、当時内閣府に出向していた文科省の職員でした。もしかしたら内閣府に押し切られたと感じた文科省側が、結論を覆す目的で書いたのかもしれません。本人への調査では、文書を作成した理由は「記憶が曖昧で覚えていない」と語っているそうです。

 

加計学園の獣医学部新設は正当な議論を積み重ねた結果です。議事録はすべて公開されています。マスコミや一部野党は証明不可能な疑惑を持ちかけて追及をしていますが、不当な圧力が加わる余地などどこにもなかったのです。

 

              

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