【chosun.com】 ブラジルのプロサッカーチーム〈ソロカバ〉の投資が大当たりの統一教会

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200万ドルで買ったクラブ数千万ドルに…ブラジルのプロサッカーチームの投資が大当たりの統一教会

logo_chosun_s2011  2014/5/13  chosun.com(朝鮮ドットコム)より

 

2014051301416_0      ▶ 昨年サンパウロ州1部リーグ昇格が確定した後に歓呼するソロカバクラブの選手たち。 photoソロカバクラブ

 

ブラジルのサンパウロ州 プロサッカーチーム 、クルーべ・アトレチコ・ソロカーバ の キム・フンテ(64)オーナーは、3月中旬、オフィスで待望の朗報に接した。「国際サッカー連盟(FIFA)のホームページについにニュースが出た」という知らせをスタッフが持ってきたのだ。

待望のニュースとは、今回のワールドカップに参加するアルジェリア代表チームがソロカバクラブをワールドカップ大会期間の宿泊施設と訓練施設として利用することにした、という知らせだ。

ブラジル以外のワールドカップ出場31カ国代表チームを誘致するために、他の800余りの現地のプロクラブとの競争の末に得た成果だった。
去る4月18日サンパウロ州の都市ソロカバのクラブ事務所で会ったキム•オーナーは、「2000年ソロカバクラブを買収し、これまで少なからぬ成果を出してきたが、アルジェリアチームの誘致は、クラブが一段階さらに飛躍できる契機になる」と言いながら「ブラジルのプロサッカークラブの間では、今回のワールドカップ代表チームの誘致に成功してこそ国際サッカー市場で通用するクラブに成長するという認識がある」と述べた。

韓国人として世界のサッカーの心臓部であるブラジルでプロサッカー球団を運営しているキム・フンテオーナーは統一教会の宣教師出身。議政府市で牧会活動をしていた彼は、2000年に文鮮明総裁の指示を受けてソロカバクラブを買収し、これまで運営してきた。
クラブ買収当時、統一教会の内部でさえ「なぜ遠くのブラジルに行ってサッカークラブを運営しなければならないのか」と反対があったが、「サッカーで平和運動をするためには、サッカーの心臓部に入らなければならない」という文総裁のこだわりに屈服したという。

当時、統一教会は、サンパウロ州Aグループ3部リーグに属していたソロカバクラブを「たったの」200万ドルで買収した。ソロカバクラブは、買収後Aグループ2部、1部リーグに相次いで昇格する善戦を果たし、2008年には1、2、3部リーグの統合チャンピオンを決める決勝でキンゼ・デ・ピラシカーバを接戦の末、4対3で破り、優勝カップを抱えるというサプライズを見せた。

3月末に終了した2013〜2014シーズンの成績が低調で、再び2部リーグに落ちたが、今回のアルジェリア代表チームの誘致という快挙を成し遂げたのだ。キム・フンテオーナーは「これまでの成果だけでソロカバの価値は、買収当時に比べて数十倍は跳ね上がって今は言い値”としながら”名実共に1部リーグの名門クラブになるための道に今入ったことになる」と述べた。

キム・オーナーによると、27州で分けられているブラジルのプロサッカーリーグは、州ごとに同じ様な形で運営されている。州ごとにリーグを形成するA、B、Cのグループがあり、各グループは、それぞれ1、2、3部に分かれている。人口4000万人のサンパウロ州のAグループだけでも、60のクラブがあり、ブラジル全体では約6000のクラブがこのようなシステムの下でリーグ戦を戦っている。クラブ平均30人の選手だけ捉えても18万人のプロ選手がしのぎを削っているわけだ。

クラブ間の競争が激しいのでリーグ昇格は夢のまた夢だ。 BグループからAグループに上がるのにおよそ20年がかかり、グループ内で3部から2部リーグに上がるためにまた7年程かかる。ソロカバの場合、統一教会の買収後3年で3部から1部リーグに上がり特別な記録を作ったとキム・クラブオーナーは説明する。

プロクラブの主収入は選手の移籍料である。広告・中継料、チケット販売料などの収入もあるが、育てた選手の一人をしっかりと取引するとFC専用スタジアムを建てるお金が生まれる、というのがキム球団オーナーの説明である。キム球団オーナーは「プロクラブは、通常、25〜30人の取締役を置いていますが、彼らはインプレッチャと呼ばれる一種のスカウトたち」「彼らは自分が見い出した選手をクラブでプレーさせ、クラブが良い成績を出して評価が高騰した時に自分の育てた選手を売りに出す」と語った。

クラブでプレーする選手は、通常1年単位で契約を結び、シーズンが終われば解散して再度選手を選ぶのが普通である。各クラブに自分のビジネスをする理事たちが主軸を成すとクラブ自体への投資は相対的に低調だという。ソロカバが統一教会による買収後、短期間で良い成績を出すことができたのも、個人主義が蔓延するブラジルのプロサッカー界の風土では異例の集中的な投資をしたからだという。

キム・オーナーの案内で見学したソロカバクラブはソロカバ郊外ののどかな田園に居を構えていた。
ソロカバはサンパウロから車で1時間の距離にある人口60万人の都市だ。現在ソロカバクラブ施設とグラウンドなどの施設は、統一教会による買収後、2244㎡(678坪)の土地を買って新たに建設したものである。

2005年に着工して2008年に完成したクラブの施設は、32室の宿泊施設とオフィス、物理治療室、食堂、ランドリー、浴室、そして4つのグラウンドが別に造成されている。 2008年7月に開かれた施設完工式の際は、ブラジルサッカー協会総裁マリア・マリン会長と最近、次期会長に選ばれたマルコ・ポーロ・サンパウロサッカー協会会長が参加するなど、注目を集めた。

2014051301416_1▶サンパウロ市から1時間の場所にあるソロカバクラブ宿舎。今回のワールドカップの期間、アルジェリア代表チームが使用することになる。 photoチョン・チャニョル

記者がソロカバ・クラブを訪ねた時は既存施設のそばに32個の客室と2個の食堂などが付いた別の宿舎の建物が仕上げ工事中だった。 そちらにアルジェリア国家代表チームが泊まることになるという説明だった。 ちょうどこの日は一月間の交渉期間の終わりにアルジェリア代表チームがサンパウロで記者会見を行ってソロカバ・クラブと最終契約書にサインをする日だった。

キム球団オーナーは“この間9ヶ国のワールドカップ代表チームが私たちのクラブを見て行ったあげく、結局アルジェリアチームを誘致することになったが最終契約書に至るまで一月間の交渉過程でアルジェリアチームが色々な注文をして苦労した”と話した。

“アルジェリアチームはクラブ経営者が韓国人ということを知って、自分たちの練習の様子など情報が韓国代表チームに漏洩することを恐れてセキュリティーにかなり気を遣った。 アルジェリアチームが入ってくることになれば私たちは必須要員だけ残してクラブをすべてアルジェリアチームに渡して撤収しなければならない。 アルジェリアチームは料理人も本国から連れてくると通知した。 自分たちが練習するグラウンドの芝も実際のワールドカップ競技場と同じようにするように言って芝も敷きなおした。”

他のワールドカップ国家代表チームもワールドカップ期間中、宿泊する宿舎と練習施設を探す時、練習場が一般の人たちの耳目からどれくらい隔離されているのかなどのセキュリティー問題とともに宿舎と練習場までの距離、練習試合の相手を簡単に用意できるかなどに神経を使ったという。 こういった理由で練習場と宿舎を共に兼ね備えたプロクラブが人気を呼んだということだ。

韓国代表チームの場合、有名観光地であるブラジル、イグァスの滝近くの民間ホテルを宿舎にして近所のサッカーグランドを練習場として借りることにした。 キム・オーナーは「私たちのクラブを訪問して事前調査した9ヶ国代表チームの中に韓国代表チームはなかった」と言った。クラブを訪れた日は13〜16歳から構成されるブラジルのすべての青少年サッカーチームから8チームを決めてその中から優勝を決定する日でもあった。あどけない青少年選手たちが宿舎の周辺を行き来しながら競技の準備をしていた。ナイキが毎年主催するこのイベントで優勝したチームの選手は、英国のマンチェスター•ユナイテッドにサッカー留学できるという。

キム・フンテオーナーは「スカウトが注意深く見守るのはパネトゥと呼ばれる有望な選手たちを捜し出すための練習試合です」と言う。「私たちのクラブはアンパンジオ(小学生),チュベニオ(中学生),ジュニオ(高校生)、プロから選手が構成されているがチームワークがとても良い」と自慢した。ソロカバクラブは、サッカーを通じた平和運動という当初の趣旨にふさわしく、平和運動の主体としての役割をこなしてきた。北朝鮮と特別な関係を結んでいる統一教会が北朝鮮と交流するもう一つの中心の役割を果たしたのだ。

ソロカバチームは、2008年末サンパウロ州の1、2、3部統合チャンピオン戦であるパウリスタカップ優勝をきっかけに、アジア遠征を行い2009年、北朝鮮代表と平壌の金日成競技場で試合を行った。当時、ソロカバのチームを率いて平壌に行ったキム・フンテオーナーは「0対0で引き分けた試合だったが、競技場を埋めた8万人の平壌市民が噴き出す熱気がすごかった」と回想した。

その時の試合をきっかけにソロカバクラブは、北朝鮮とのサッカー交流を続けた。 2010年にも、北朝鮮代表と平壌で親善ゲームを行い、2011年には、北朝鮮の女子サッカー代表チームが一ヶ月間ソロカバクラブで寝泊りをして、その年、ドイツで開催された世界チャンピオン戦に備えた。キム・フンテオーナーは「当時、北朝鮮女子代表チームが、ゆで卵をとてもよく食べるので、ものすごい量のゆで卵を準備した」と言った。 2011年もソロカバチームは北朝鮮代表と平壌で親善ゲームを行った。

今年も北朝鮮男女代表チームはソロカバを訪れるという。 6月にワールドカップに参加するメキシコ代表チームが自分たちがワールドカップで試合する日本とよく似たスタイルの北朝鮮代表チームを呼んでアルゼンチンで練習試合を行うのだが、北朝鮮代表チームはソロカバに宿泊して競技に備える予定だという。

8月には北朝鮮女子国家代表チームが再びソロカバで40日間の現地訓練を今年行う予定だという。 キムオーナーは「北朝鮮女代表チームはすでに世界的な強豪でソロカバに練習にくれば私たちが現地コーチを付ける」として「サッカーで平和と統一を実現しようという文総裁の意志を文総裁亡き後にも実践するという思いで北朝鮮チームと交流している」と話した。

キムオーナーは、ソロカバクラブを今後、ブラジルの先進サッカー技術を他の国と共有し、普及していける平和スポーツセンターを作る計画だという。先進国の技術を貧しい国に普及して世界的な技術の平準化を成すというのは、文鮮明総裁の平和運動構想の一つであるが、サッカーも同様の対象ということだ。

キムオーナーは「北朝鮮代表チームだけでなく、韓国からもサッカー留学できるようにクラブを開放する方針だ」とし「ソロカバがサッカーを通じた南北統一の架け橋の役割をしたらいい」と話した。キムオーナーは、2012年ソウル大会を最後に暫定的に中断していたピースカップを2015年にブラジルで再開する可能性も示唆した。

2012年、文鮮明総裁が世を去った後、宗教に専念するためにピースカップを暫定的に中断しようというのが現在の韓鶴子総裁の思いだったのだが、韓総裁がピースカップの再開に同意し、ブラジルサッカー協会が支援するならば、ブラジルで2015年ピースカップを開催することは可能である。キムオーナーは「北朝鮮代表チームは、私たちが招待すれば、ピースカップに来る可能性は高い」とし、「サッカーのメッカで南北が参加するピースカップが開かれるるなら、それこそ意義深い行事になるだろう」と語った。

訳Harikawa

 

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