「弱小政党と侮ってはいけない」
今年2月に新潮社から『日本共産党の正体』(新潮新書)が発行されましたが、皆さんご覧になりましたか?
「近現代史研究家」の著者・福冨健一氏は、これまでに「民社党政策審議会部長」、「民主党政務調査会部長」など「長年、政党で政策の立案に携わって」きた方です(著書に『共産主義の誤謬』など)。
本書では、日本共産党の歴史をはじめ、宮本顕治や不破哲三ら共産党の指導者、現在の「綱領」(2004年)の批判などを網羅的に紹介している他、
「共産主義の本質」を「自由・民主主義の問題だ」としながら、ドイツの憲法裁判所によるドイツ共産党の違憲判決をはじめ、「闘う民主主義」について言及するなど、読者に多くの示唆を与えてくれることでしょう。
「日本共産党を知らずして日本の政治は語れない」
本書の「はじめに」では、日本共産党を理解する必要性が以下のように語られています。
「日本共産党の議員数は、国会議員は2018年10月現在、衆参で26名(衆議院12名、参議院14名)、地方議員は2017年12月現在で、2754名(都道府県議会149名、市区町村議会2605名)もいます。これだけ多くの議員を抱えている共産党は、明らかに大きな政治力を持っています。自由民主党のみならず共産党を知ることは、日本の民主主義の健全性を維持し、民主主義を守るために不可欠です。日本共産党を知らずして日本の政治は語れないと言えるでしょう」
また、「第六章 闘う民主主義への道」の一部をご紹介します。
「欧米のように民主主義は独裁政治に走る危険があることを自覚し、共産主義を卒業する必要があります。(中略)
共産主義、共産党を考え、批判することは、日本の民主主義を考え、高めることなのです。私たちは内在する民主主義の死に向かう危険から、民主主義を守り続けなければならないのです」
つい、「弱小政党」と侮(あなど)ってしまいがちな日本共産党ですが、「日本共産党の正体」を改めて理解する上で本書が大きな一助となるはずです。
日本共産党については、国際勝共連合の公式サイトに掲載された「さよなら、日本共産党」のページも合わせてご覧ください。
コメント