【週刊朝鮮】 [現地取材] 文鮮明は米国で何をしたか 〈その2〉

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logo   *以下の内容は『週刊朝鮮』7月7日の記事を日本語に訳したものです。

 

[現地取材] 文鮮明は米国で何をしたか

統一教の伝説はアメリカと韓国で蓄積した途方もない富がその一軸をなす。 ニューヨークのニューヨーカーホテルは統一教の資産だ。 マンハッタン8番街と34通りが交差する場所にある。 創業90年迎えるニューヨーカーホテルはニューヨーク、マンハッタンで客室数が最も多い4つ星のホテルだ。 ホテルの3つのフロアーは統一教が宣教施設として使っている。

ニューヨークに到着してから宿舎として利用したマンハッタンのニューヨーカーホテルは25年前購入当時500万ドルだったが現在の相場は4億ドルに達すると米国家庭連合の事業本部長であるマイケル・ジェンキンス氏は語る。 このホテルに3000万ドルを投資して大々的な改修工事をして女性の専門経営者を迎え入れ、経営の効率性を上げる努力をしている。宣教活動優先から経営効率重視に向けて舵を切った。アン•ピーターソン社長は「3つ星ホテルだったが、改修を終え世界的なウィンダム・ブランドを使用して、去る5月に4つ星に上がった」と言った。ニューヨークにある5つ星ホテルは、6つに過ぎない。 ニューヨーカーホテルは、近くの埠頭地域に大規模な開発事業が進むにつれて、資産価値が上がっていったという。 230億ドル規模の「ハドソン・ヤード・プロジェクト」が進めば、メディアグループであるタイムワーナー社が入居するという。

2314_16_03▲米国ニューヨーク•マンハッタン8番街36stにある統一教会所有のニューヨーカーホテル(矢印の建物)。米国宣教本部もここにある。 photoチェ・ジュンソク

ニューヨークの宣教活動と事業部門を統括するキム•ギフン家庭連合総会長は米国内の事業の売上高の規模について「内部でも公開していない」と言いながら、その規模について「数字的には巨額の利益を上げている」とだけ述べた。キム理事長は、「ワシントン•タイムズも、今年の年末に赤字から脱出し、来年には黒字が出るだろう」と語った。

キム総会長と同席したマイケル•ジェンキンス事業本部長は、統一財団のベーリング海漁業ビジネス(Ocean Peace Inc.)とアラバマ州にある船舶修理会社(マスターマリン•Master Marine)の説明をした。キム総会長は、ベーリング海では、遠洋漁船三隻を運営しているが「こちらの収益がニューヨーカーホテルの収益よりさらに多い」と言った。

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アメリカ政府はこの海域で全20隻に対して操業許可を出したがこの中の三隻が統一教所属ということだ。 マグロなど捕まえるとそのまま現地から日本にすぐに輸出し、本社があるシアトルまで持って来ないと言った。 キム•ギフン理事長は「この三隻の他、保有している中型船は数百隻」と述べた。日本レストランも多数運営しているという。 金理事長は「ビジネスは文総裁の世界宣教のための手段にすぎない」と話した。 統一教会が保有する莫大な資産を巡っては、文鮮明氏死後の息子たちの間で訴訟が起きた。

 

文鮮明氏が韓国からアメリカに1971年基盤を移したのは韓国での活動に制約を受けたからという話だ。 彼の思い通りにならず、異端と言われ、刺すような視線を受けたためだ。 彼はニューヨーク州アーヴィントンに自宅を設けてこちらで子供たちを育て、さらに広い視野を持って活動を行ったとのことだ。 キム・キフン理事長の指揮を受けてアメリカ国内で統一教の宣教活動に責任をもつのはマイケル バルコム世界平和統一家庭連合米国教会長 は「アメリカを神様のチャンピオンにするのが文師の目標であった」と述べながら、文師は △価値観が崩壊する当時の米国社会の再建 △世界宗教間の和解 △物質主義的思考の問題解決 を目標にしたと話した。

これに関連してヤン・チャンシクUPF世界議長は文鮮明総裁が「初めはアメリカで歓迎される立場ではなかった。 アメリカの支援を受ける国から来た人がどのような話をするのかと肯定的に見なかった」と話した。文鮮明氏はアメリカで7000ドル規模の脱税疑惑を受け64才の時に1年1カ月間投獄された。

統一教会の超宗教活動は興味深かった。記者はこの部分については、ほとんど知らなかった。キリスト教から出発し、異端という非難を主流教会から受ける統一教がなぜ超宗教活動をするのかということが気になった。

マンハッタンから少し離れたニューヨーク州タリータウンにあるUPFオフィスを訪れたときに、この部分について話を聞いた。 UPFは国連経済社会理事会に登録された非政府組織(NGO)である。 UPFのタジ・ハマド事務総長は9・11日のテロ発生直後インドネシアの首都ジャカルタで開催したイベントの話を聞かせてくれた。 「9・11日のテロの直後、イスラム教徒に対する敵意が米国でほとばしった。文総裁は、イスラムは悪くない、真のイスラムの様子を知らせなければならないと、宗教間の会議を開催した。お金は私が出す。会議は、イスラム教徒の名前で開くようにしよう。私はインドネシアの元大統領アブドゥル・ラーマン・ワヒドと接触した。結局、9・11日のテロ発生2カ月後、ジャカルタでの会議が開催された」と話した。彼が見せてくれた資料を見ると、当時の会議のテーマは「イスラムと世界平和の未来」であり、会議は、2001年12月20〜23日にジャカルタで開かれた。ほとんどのクリスチャンが敵対的に考えていた時にイスラムの理解のために財布を開くなど珍しいことだ。  〈つづく〉

訳Harikawa

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