宗教を超え、社会貢献の先頭に立つ
【週間東亜】記事より キム·ジウン客員記者
世界平和統一家庭連合(統一教)が社会貢献財団を作って動き出した。 その背景が興味深い。 複雑な統一教内部問題がこの財団を通じて整理される可能性があるためだ。
社会貢献財団である圓母平愛財団(創設者 韓鶴子総裁、理事長キム・ミンハ)は文鮮明総裁が他界1年前から設立を発表して準備してきた団体だ。 文総裁は2011年8月16日米国、ラスベガスで教会指導者が集まった席で圓母平愛財団設立を指示して以後何回も財団設立を強調してきた。 発議1年後である2012年9月、文総裁が突然他界するとすぐに統一教は彼の遺志を継続するということから財団設立を急いだ。そして今年2月20日 発足式を持った。 以後、財団は統一教会の主要な社会貢献事業を一つに集めて体系化する作業に没頭した。
未来のための1% 善の分かち合い運動
統一教内部指導者の中には文総裁が自身の生涯の終わることを予感して、事後のために財団設立を指示したと解釈する者もいる。 他方、文総裁の死去で大きな打撃を受けた統一教が自己救済策として圓母平愛財団の設立を推進したと見ることもできる。 教団創立者で、中心軸だった文総裁の突然の死亡による混乱を防ぎ、議論を呼んだ後継争いによる分裂を防ぐことのできる大規模プロジェクトとしてこの上ない条件を備えているためだ。 現在の統一教の実質的な運営を受け持っている韓鶴子総裁が最も精魂を込めて推進する事業である、という点もこのような解釈を裏付ける。
圓母平愛財団は発起人総会を通じてキム・ミンハ前民主平和統一諮問会議首席副議長を理事長に委嘱した。 理事は金孝律(世界平和統一家庭連合宣教会財団副理事長),梁昌植(世界平和統一家庭連合韓国総会長),朴ノーヒ(世界キリスト教統一神霊協会財団理事長),朴相権(平和自動車社長),キム・ビョンス(세계일보社長),キム・ソクピョン(歴史編纂委員長)等であり常任理事はキム・マンホ鮮文大教授が引き受けた。
対外的意味でも圓母平愛財団設立は注目に値する。財団側が計画している事業内容のほとんどは、教団の宣教や復興より社会全体の公益事業に焦点を合わせているからである。これについて、統一教側は、宗教の社会的責任を超えて、より広い意味での社会的責任を実践するためのものだと説明する。生前、宗教の現実への参加、社会の変化主導を強調してきた文総裁の教えを実践しようとする総体的な努力の一環だということだ。
統一教会は文総裁の生前にも “国際科学会議” “世界平和サミット” “世界平和教授協議会”などの非宗教の分野で様々な協議体を作り、合意と協議を通じた共同平和の概念を説いており、宗教の壁を越えた共通の善の概念を確立することを強調してきた。また、社団法人ボランティア愛苑芸術事業をはじめとする社会奉仕活動とユニバーサルバレエ団など、統一協会が保有している文化的資源を活用して、貧しい人々を対象にした公演など様々な社会貢献活動を進めてきた。また、統一教会内の人的資源のかなりの部分を占める多文化家庭を受益者になるばかりではなく、地域社会奉仕活動の主体となるようにするためにも力を入れてきた。
韓総裁は2月20日の京畿道、加平の天正宮博物館で行われた発足式で、“圓母平愛財団は、将来の人材育成に大きな役割をして、分かち合いと奉仕を実践する場を開いていく公益を中心とした社会貢献事業に努力するでしょう”と述べた。統一協会の社会貢献事業が将来、この財団を中心に行われることを大きく示唆する言葉だ。
韓総裁は圓母平愛財団の発足とともに、文総裁を追慕する全世界から集まった500億ウォンと文総裁が使ったヘリコプターの売却代金など総額1100億ウォンを財団の基金として出資した。 財団はこれをもとに、国内外の志ある人々の寄付金を集めて基金規模を拡充していく方針だ。 このために圓母平愛財団では全世界的に『偉大な約束、未来のための1%分かち合い運動』を展開する。 また、信徒の寄付金だけに依存しないで、その間、文総裁と志を同じくして平和運動を広げてきた各国指導者らとともに財団のビジョンに賛同する一般の人たちの参加も募って行く方針だ。
ノーベル賞に並ぶ「鮮鶴平和賞」の推進
圓母平愛財団の事業は大きく分けて、教団の平和のビジョンと思想を伝える記念事業と教団内の人材を育成する奨学教育事業、そして分かち合いと奉仕を通じて平和の文化を拡散していく社会貢献事業に分けることができる。事業は、まず奨学金の教育事業を中心に人材育成に努力しながら、平和のビジョンと思想を宣揚する記念事業を企画して3年以内に「鮮鶴平和賞」授賞などの事業を推進していく予定である。鮮鶴平和賞は世界平和のために貢献した個人や団体、地域などを対象とした功労賞で、その対象は教団内に限定されず、全世界的であるという点で注目に値する。これについて、文総裁が生前に『ノーベル賞よりも貴重な賞になるようにしなさい』という意を明らかにしたことが統一教側の説明だ。
奨学教育事業は統一教が追求する平和世界をリードしていく未来の人材養成のためのものだ。 単純に奨学金を与える一回限りのものとして終わらず、奨学生が持つ平和に対するビジョンを自ら成し遂げようと努力していくことができるように後押しする教育システムを用意する、中・長期プロジェクトだ。 奨学金申請者は平和ビジョンを中心にした自己紹介文を提出して、圓母平愛財団が用意した休暇中の夢キャンプ、学習指導、先輩たちとの夢トーク事業などに参加しなければならない。 未来人材養成の核心過程で設立された天宙平和士官学校では9ヶ国から来た青年指導者41人が5年過程の指導者研修教育を受けている。
2月の発足式では、圓母平愛財団事業の大きな軸である社会貢献事業のために国内の様々な分野でボランティア活動を模範的に展開してきた奉仕団体とボランティアを対象とした’奉仕賞’授賞を行った。この奉仕賞は、毎年継続する予定だ。圓母平愛財団はまた、宗教の分野の非営利組織だが、内外監査に備えて会計準則を厳格に適用して組織の運営を透過化していくことを明らかにした。
金ミンハ圓母平愛財団理事長インタビュー
“超人類の平和運動の基礎となるもの”
―統一教会信者ではないのに圓母平愛財団理事長職を受諾した理由は何か。
“宗教と思想を超越した世界的な平和運動を広げてきた文前総裁の行跡に大きく感銘を受けた。一部では、統一教会に対する歪曲された考えを多く持っているが、それは文前総裁の基本理念である真の愛と平和、’one family under god(神の下の一家族)”という思想を間違って理解したことから始まったものだ。今まで文総裁が広げてきた教育事業と統一事業は、宗教を超えた超人類的、世界的なものであった。私は統一教会信者ではないが、宗教、人種、国家、民族の高い壁を崩して奨学事業と社会奉仕活動を広げるという点で、圓母平愛財団事業は、まさに宗教を超越したものにすることができるので喜んで参加した。”
―圓母平愛財団の設立意義は?
“今まで静かに進行されてき統一教会の社会貢献事業を一つにまとめて再点検し、より大きく幅広い社会貢献事業を進めることができるきっかけを作ったのだ。愛と平和のメッセージを全世界に宣言するものでもある。圓母平愛財団は、文前総裁の平和思想を説いて世界平和を実現するリーダーを育成する土台になるだろう。特に、鮮鶴平和賞は、ノーベル平和賞に並ぶ博愛的で世界的な平和運動の指導者を発掘することで世界の平和運動に寄与できると期待している。”
訳Harikawa
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