「はやぶさ」が見せてくれた神様の心情を伝える奇蹟(1)

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●はじめに――今や日本の復興の希望となった「はやぶさ」

 

小惑星探査機の「はやぶさ」の話といえば、知らない人はほとんどいないだろう。続々と、はやぶさの実話を題材にした映画が作られ、2012年2月には3本目、3月には4本目の映画が封切られる。震災の苦しみから立ち上がるために、はやぶさの話は、希望の源となり、今や日本の復興のシンボルになりつつある。

信徒の人の中には、科学の話には関心がない人も多いかもしれない。あまり知らない人のために簡単にふれると、「はやぶさ」は、日本が2003年5月に打ち上げた小惑星探査の工学実証試験機で、2005年小惑星イトカワに到達、観測を続け、小惑星の砂を採取した後、絶体絶命のピンチや数々の苦難を乗り越えながら、2010年6月に地球に帰ってきた宇宙探査機である。その7年間の行程は、実に60億キロの大航海に及んだ。地球への帰還時には、小惑星の微粒子が入ったカプセルを切り離して地球に送り届ける一方で、はやぶさの本体は燃え尽き、オーストラリアの空で特大の流れ星となった。

地球に送り届けられたカプセルには、小惑星の微粒子が入っていたことが確かめられ、今、その研究が進んでいる。それらの研究によって、今から約46億年前、太陽系ができた頃、つまり地球が生まれる前後のことが、徐々に解き明かされようとしている。カプセルはその後、日本全国各地で巡回展示され、夢と希望を与えてくれた「はやぶさ」の残した形見を見ようと、何十万人もの人が行列をつくったニュースを耳にしたことがあるだろう。

はやぶさが達成したことは、人類初のすばらしい業績であり、数々の苦難を乗り越えたプロジェクトチームのがんばりなど、感動的な話がいっぱい入っている。そうした話は、新聞やテレビ、書籍、映画の中でしっかりと紹介されている。と、ここまでは、世の中で評価され、報道された内容である。お伝えしたいことは、もっと別次元のことである。

 

●「はやぶさ」がもうすぐ帰るというとき、「神様の心情」観が変わってしまった

 

それは、2010年春、はやぶさがもうすぐ帰ってくるというとき、それまでの「神様の心情」観が大きく変わってしまったことである。教会の信徒にとっては、神様の心情がどのようであるかを考えることはとても大事であるし、何よりも重視している。人類を被造万物の主人として創造された限りない愛の心情、人間が堕落したときの悲嘆にくれた心情、救いの摂理を続け、人間が責任分担を十分果たせないときの悲しい心情・・・など、さまざまな心情がみ言の中で語られている。それは、文鮮明先生が15歳のときに霊的に現れたイエス様に出会い、神様の事情を知ったときに、私たち信徒に教えてくださった内容でもある。

大事にしているはずの「神様の心情」に対する観念が、それまで人間の立場から頭で想像したり、考えていた内容から、まるっきり神様の立場からの見方・感じ方に転換されてしまったのだ。

たとえば、はやぶさが幾多の困難を超えて、「もうすぐ帰ってくる」と思ったとき、いても立ってもいられない気持ちになった。そして、帰りを待ちわびる思い、帰ってくるのが楽しみでしかたがないという思いと、満身創痍で帰ってくるはやぶさの姿に涙し、心がはりさけるような思いも味わった。喜びと期待を胸にいだきながら、なぜか涙する。はやぶさが7年もの長い期間、“お使い”の役目を果たし、帰ってきてくれるのは決して悲しいことではないのに、その苦難の歩みとけなげさを思って、涙が止まらないのである。

その思いは、オーストラリアの夜空にはやぶさが帰ってきたその瞬間にも、そして、それから1年半以上の時が経った今でも、変わっていない。普通であればどんなに感動した話でも時間がたてば冷めるものだが、一向に冷める気配がなく、はりさけそうな心は小さくなるどころか、大きくなる一方だ。

世の中の多くの人がはやぶさの帰還に涙した。子どもや若者、中高年に至るまで、男女の別なく“心の清い”人たちの琴線にふれたのである。機械であり、人間の感情の対象になり得ないはずなのに、なぜか涙してしまうのである。それは、理知的で冷静なはずのJAXAの研究者、科学者たちも同様で、みな思いは同じであった。今でもそのまま残っているJAXAの特設サイト『関係者からのメッセージ-はやぶさ、地球へ!帰還カウントダウン』を読んでも、その思いは伝わってくる。

人々はなぜ、わけもわからず涙するのだろうか。それは、神様の心情そのものだからだと確信を得た。真の愛にあふれる神様の涙だからこそ、人々の心に感動を与え、何年経っても心の中に刻み込まれているのである。それは、はやぶさの業績の背後にあって、神様が直接働き、直接啓示を加えたとしか思えないのである。

 

●世の中の人々は我知らず気づき、涙しているのに・・・

 

世間の人たちの中でも、特に“心の清い”人たちに与えた影響は大きかった。しかし、それが神様の心情ゆえであることに気づいている人はまずいないだろうし、いても非常に少ないに違いない。神様の実在や事情を知らず、天倫の秘密を知るよしもないので、それは無理もない話だろう。

一方で、神様の心情を強く感得できるはずの信徒たちはどうなのだろうと、しばらくようすを見ていた。信徒の多くは、信仰や内的世界には強い関心があるのは当然だが、科学の話なので、あまり関心がもたれないようであった。何にでも関心をもつ子どもたちをのぞいては、科学分野に興味がある一部の人にしか、さほど特別な意味は感じられなかったようだ。

そのような中、心の中では「神様の啓示だ」という思いが募った。後に、二世の中高生・小学生を対象にした礼拝で説教を担当し、「はやぶさ」の話をさせてもらう機会が与えられた。そのときの説教資料がこの記事に付けている画像である。

時間がたった今、「はやぶさ」帰還で示されたことは「神様の啓示である」という思いは変わらない。確信はますます強くなっている。そして、4本もの映画がレビューされる昨今の状況になって、もう一度、信徒の人たちにメッセージを伝えておこうという思いが深まった。

 

●科学の業績に神様が働き、「はやぶさ」帰還路程が人類復帰摂理の象徴となった

 

では、科学の業績であるはずの「はやぶさ」の奇蹟に、神様が直接働きかけた結果、帰還路程がそのまま人類復帰摂理の象徴となっていること、私の気がついた3点を紹介したい。実はこの他にも、何らかの象徴があるのではないかと思っている。次の3点である。

・原理数、摂理数

・『天地人父母』

・母国の出産、親と子、次世代(二世)へのバトンタッチ

 

●「はやぶさ」にかかわる数字はみごとな原理数、摂理数だった

 

はやぶさの旅した期間は、当初の予定が4年であったところに、さらに3年を延長して、7年であった。統一原理を学んだことのある人なら、これらがすべて原理数になっていることに気づく。

創造原理を学べば、「4」は四位基台、「3」は正分合作用の三段階、三対象目的とわかる。また「7」も神の天地創造七日間で象徴される数字である。

原理本体論では、3・4・7の数字について、もっと深く原理的に説明されている。「神様は3数」(神・アダム・エバ)、「地は4数」(神・アダム・エバ・子女)、「家庭は7数」(神・父母・夫婦・子女[兄弟])とされているのだ。重要な原理数である3・4・7の数字がそのまま含まれている。

これらは神様の啓示であるという確信があったから、比較的早い時期に気がついた。

また、はやぶさの旅した距離については、宇宙空間で軌道上を通ることから、解釈のしかたによって諸説に分かれるようだが、JAXAの先生たちは、総移動距離として「60億キロ」として計算し、帰還間際になって報道機関に説明した。この60億キロの「6」という数字を見たとき、「もしかしたら・・」と考えた。案の定だった。どんぴしゃの摂理数だったのだ。

これには、説明がいるだろう。1キロメートルは、1000メートルであることをどんな人も知っていると思う。桁の大きい数字を扱うときには便利だが、もっと大きな数字を扱うときには別の単位を使う。それらが「メガ」「ギガ」である。これに「バイト」を付けた単位が、パソコンやデジカメなどで、おなじみのメモリカードの単位になっているのでおわかりだろう。「キロ」→「メガ」→「ギガ」になると「0」の桁が3つずつ増えていく。数学的に言うと10、10、10である。

これで「60億キロメートル」を換算すると、果たせるかな、「6000ギガメートル」になるのだ。「6000」と聞いてすぐ気づかない人はいないだろう。聖書による人類歴史は、6000年とされている。はやぶさの旅した「60億キロ」は、6000年の人類歴史の象徴なのである。

(2)へ続く

 

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コメント

  1. とっちゃン より:

    コメントありがとう 良い記事なので、ツイートさせて頂きました。

  2. coscosk より:

    とっちゃんさん

    コメントとツイートありがとうございます。
    もしよろしければ、どのように感じられたのか、
    感想なども寄せていただければと思います。
    ツイッターのアカウントもさしつかえなければ
    教えてください。

  3. Taki より:

    はやぶさの成功の意義について興味深い解説をありがとうございました。
    私もチームの一員として参加しながらも、あまりそこまでは考えていませんでした。
    その科学面での偉業をもっと多くの食口たちに知ってもらおうと尽力しています。

    • coscosk より:

      Takiさん、ありがとうございます。
      はやぶさのプロジェクトチームにどなたかメンバーがいらっしゃるとは聞いておりました。お会いできて感激です。(;_;)
      はやぶさの帰還した日は、6月13日の天正宮入宮式と同じ日です。さらに、この記事を書いたあとで苦難の数を数えたら、ぴったり7回あって、七死復活していました。
      そして、帰還直前に燃え尽きた姿は、基元節を前にして聖和されていかれたお父様の姿をまさに象徴していたのですね。現代科学の成果の最前線に、まさに神様の啓示が降りていたのですね。はやぶさの飛行する姿に、神様が伝えようとするメッセージをしっかり織り込んだんだと思います。
      もっとたくさんの食口に知ってもらえればありがたいです。

  4. […] うになっていった。そうした内容は、2012年1月にファミリーフォーラム(FamilyForum.jp)に投稿した拙稿-コラム『「はやぶさ」が見せてくれた神様の心情を伝える奇蹟』にまとめてある。 […]

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